- 2002年3月 6日 17:18
- ブロードバンド
そもそも今ブロードバンドと呼ばれているもの → ADSL の 1.5Mbps か 8Mbps で、実際にはブロードではなく「ミドルバンド」にあたる。 → これで映像配信しても画質のクオリティーが悪い → そのうえ、コンテンツのクオリティーもテレビのほうが上。
この状況でいくらブロードバンドがテレビを目指したって、誰だってテレビを選ぶはずだ。
テレビ業界はビジネスモデルが確立し、お金が集まる仕組みが出来ているから → いいコンテンツがたくさん出来るのは当然で → ゆえに一般ユーザーもテレビを見るのだ。いまやテレビは文化として成立している。
しかしテレビというメディアが完璧なわけではない。その理由は、
・プッシュのみ、いわゆる一方通行である
・タイムテーブル、放送時間が決まっている
・CMや見たくない情報まで入っている
……すこし考えただけでもこれだけの弱点が出てくる。それもそうだ。根本的な部分は何十年も前と変わらない技術なのだから。デジタル放送になったところで、この根本的な部分というのはあまり変わらないだろう。
→つまり「テレビというメディアは完璧ではない」のにお金が集まる仕組みがあるからメディアとして成立していることになる。
さて、ここでブロードバンドに話しを戻そう。
今、インターネット関連企業各社はやっきになって、ブロードバンド専門の映像サイトを次々と立ち上げ始めている。ブロードバンド = 映像 = ネットテレビ という公式だ。
なぜテレビを目指すのか? テレビの幻想にとらわれている。
実際は、テレビメディアという形式が良いのではなくて、テレビに流れるコンテンツが優秀なだけだ。いや、優秀というには少々引け目を感じるが、人をひきつける力はあるし、影響力も確かにある。何十年という歴史と、蓄積されたノウハウもあるしね。大きくお金が動くだけに、才能ある人材が集まるのも必然。
で、肝心のネットテレビの中身といえば、お粗末なものだ。そもそも資金(ビジネスモデル)もないのに、誰もが見るコンテンツ(マスメディア)を作るなんて難しい。
じゃあどうすればいいんだ? 考えてみよう。
上にも書いた通り、ビジネスモデルも無いのにマスメディアを目指す必要はまず無い。
そして映像を流すことにこだわる必要もない。
きっと「ブロードバンド=映像」という公式しか見えていないのだろう。なぜか、インターネットとブロードバンドが別物に見てしまっているのだ。そもそも「ブロードバンド」とは、「インターネット」という大きな括りの中の一部分に過ぎないのだ。
ゆえにインターネットの特性は無視できない。
テキストと静止画だ。
現状のブロードバンドコンテンツは、映像ベースになってしまっている。
どういうことか。ブロードバンド=映像 が前提とされた作り方になってしまっているということだ。
分かりやすい例:
× flash はなんかすごそうだから取り入れる
○ これを表現するためには flash が最適なんだ
これは、インターネットビジネスをやってきたノウハウのひとつ「テクノロジーベースではなくコンテンツベース」という考え方だ。この業界、テレビビジネスのノウハウこそ無いが、インターネットビジネスのノウハウならある。ブロードバンドもインターネットとして認識し、これらのノウハウを忘れないようにしなければならない。
じゃあ具体的にはどうしたらいいだろう?
インターネット上で映像をみせたいなら、コンテンツの延長線上に置くべきである。コンテンツというかたまりを、横で切るのではなく、縦で切ってみる。そうすると3つのレイヤーが見える。
3 映像(ビデオ)
2 静止画(イメージ)
1 文字(テキスト)
これでいくと、3番がブロードバンドにあたるわけだ。現状 3番しか見えていないので、1,2を飛ばしてイキナリ3をコンテンツとしているのだが、それでは効果が薄いってこと。なぜか?
○従来のテキスト・イメージが重要なわけ
・インターネットはいまだにテキストベースである<検索エンジンが情報検索の主要手段だから
・斜め読み、読み飛ばしが出来る、知りたい部分だけ読むことが出来るテキスト<プッシュではなくプル
・見たいシーンだけを詳細に見ることが出来る<1枚の画像次第でユーザの興味をひくこともできる
○プッシュとプルという考え方
・映像メディアは基本的にプッシュで、発信側優先の技術である。
例)顧客優先ではなく、自社の利益・コストしか考えない企業優先主義の経営がうまくいかないように
・逆に、テキスト・静止画はプルで、制作には映像より比較的手間がかかるが、受け手優先といっていいだろう。
例)同じことを映像で伝えるには、カメラに向かってしゃべるだけでよいので、手間がかからない
で、どちらが良いとか悪いとかの話しではなく、プッシュとプルのバランスが重要なのだ。押して駄目なら引いてみな、それでも駄目なら押し倒せ の法則だ。謎
インターネットの世界は基本的にプルで成り立っている。ユーザは自ら興味を持った分野のコンテンツをテキストや静止画を手がかりに探しに来る。そこでユーザが欲しがっている情報をピンポイントでプッシュしてあげれば間違いなく歓迎されるはずだ。そこではじめて、映像の出番なのだ。
そんなわけで、この3つのレイヤーを意識しながらコンテンツを構成していくことが重要と言うわけだ。
最後に、テキストと静止画以外のインターネットの特性も忘れてはならない。僕の経験と勘によると、ブロードバンドで成功する秘訣は以下の3つだ。かるく参考にしてみてください。
1.コミュニケーション・双方向のアクション
ブロードバンドコンテンツを考える上で一番重要なキーワードになるはずだ。テレビにはできない強みだし、これを活用しないとブロードバンドでやる意味が無い。今までテレビやネットなどで放送されてきたコミュニケーション型の番組といえば、映像:双方向が 9:1 の割合で、せいぜいアンケートをとったりFAXを募集したりするぐらいだった。これではつまらない。この比率が逆になるとか、視聴者からのアクションがないと番組にならないぐらいの映像があっても面白いのかもしれない。
2.個人・ローカル・ニッチ
実はインターネットの世界ではマスメディアより個人の力が強い。インターネットを長年やっているとわかるのだが、不思議なことに定期的に訪れるサイトは、ある特定の個人サイトたちに絞られていくのだ。また、ネット先進国のアメリカ は、ネット歴が浅い日本ユーザーより、インターネットで地域情報を入手している率が高い。インターネットはマスメディアでは入手できないニッチ・ローカルな情報ニーズにぴったりということだ。
3.低コスト・リアルタイム系・公募系
テレビのように、膨大な制作費を使ってみんなに見てもらうのではない。2番を見れば分かるように、ごく限られた人たちだけに見てもらえればよいため、コストを極限までおさえなければならなくなる。しかしインターネットではそれが可能だ。
以上。ご意見求ム。
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